山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

世界を席巻するオミクロン株

欧米で増加するBA.5株の亜種(2022年10月19日)

日本を含む全世界において、BA.5株が感染の中心となっています。BA.5株には様々な亜種が出現していますが、アメリカにおいては、BQ.1、BQ.1.1、BF.7の各亜種が増加傾向にあります(図1)。ドイツでもBF.7株の増加しており(図2)、BQ.1とBQ1.1株についても国内での発生が報告されています。イギリス政府はオミクロン株各亜種の増殖性を推定していますが、BQ.1やBQ.1.1の親株であるBE.1株は、従来のBA.5株より約28%、BF.7株は約18%増殖性が高いと推定しています(図3)。

図の出典
図1 CDC COVID Data Tracker: Variant Proportions
図2 Wochenbericht_2022-10-13.pdf (rki.de)
図3 SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation
図1 アメリカにおける変異株の推移
図2 ドイツにおける変異株の推移
図3 オミクロン株各亜種の増殖性(イギリスのデータ)

日本でもすでに大部分がBA.5株か(2022年7月21日)

国立感染研の鈴木教授が7月21日に厚生労働省第91回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードに提出した資料
000967346.pdf (mhlw.go.jp)
において、6月までの実績値を元に7月以降の変異株の推移を予測しています。これによると、全国で見ると7月21日の段階でBA.5株が96%を占めていると推定されます(図1)。関東の1都3県では99%、関西の2府1県では91%と推定されています。8月初めには全国的にほぼ100%になると推定されています。
一方、京都大学の西浦教授が同アドバイザリーボードに提出した資料
000967347.pdf (mhlw.go.jp)
によると、東京都においては7月20日段階で、BA4およびBA.5株が92%を占めていると推定しています(図2)。

アドバイザリーボード資料
新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料等(第81回以降)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
図1 鈴木教授の予測
図2 西浦教授の予測

アメリカ、ドイツ、イギリスでBA.5株が主流に(2022年7月20日)

アメリカやドイツではオミクロン株の亜型であるBA.5株が新規感染者の大部分を占めています(図1,2)。
イギリスでも7月18日のデータで、BA.5株が約80%、BA.4株と合わせると95%を占めています(図4)。
日本では最新のデータは公表されていませんが、東京都では6月において既にBA.5株の増加が認められており、米独の状況から推定するとすでにBA.5株が主流になっている可能性があります(図3)。
吉村知事の記者発表によると、7月17日現在で大阪府では新規陽性者の約60%をBA.5またはBA.4株が占めています。
吉村記事の会見
報道によると、国立感染研は7月21日に厚労省の専門家組織会合において、BA.5株が全国ですでに96%占めていると報告したということです。
新型コロナ“今後も過去最多感染者数の更新予想” 専門家会合|NHK

出典

アメリカCDCによる変異株の推移
CDC COVID Data Tracker: Variant Proportions

ドイツ・ロバートコッホ研究所の新型コロナウイルス情報
RKI - コロナウイルスSARS-CoV-2 - 現在の状況レポート、週次レポート、COVID-19の傾向が一目でわかる
ロバートコッホ研究所の週報(7月14日版、ドイツ語)
COVID-19 Wochenbericht 14.7.2022 (rki.de)

イギリスにおける変異株の状況
SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation: technical briefing 44 (22 July 2022) (publishing.service.gov.uk)

東京都による変異株情報
変異株について 東京都福祉保健局 (tokyo.lg.jp)
7月14日現在の状況
ゲノム解析結果の推移

世界各国の感染者数、死者数
Coronavirus Pandemic (COVID-19) - Our World in Data



図1 アメリカにおける変異株の推移
図2 ドイツにおける変異株の推移
図3 東京都における変異株の推移(6月現在)
図4 イギリスにおける変異株の推移

オミクロン変異ーアメリカでも急激に増加(2021年12月21日)

南アフリカで最初に報告されたオミクロン変異ですが、アメリカ疾病対策センターCDCの報告によると、アメリカでも全米で急激に増加し、デルタ株を凌駕しているようです。
図1 アメリカにおける変異株割合の推移
図2 アメリカ地域ごとの変異割合(12月12-18日)
図3 アメリカ地域ごとの変異割合(12月5-11日)
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