山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

3回目接種の可能性

3回目接種の可能性

mRNAワクチンなど多くの新型コロナウイルスに対するワクチンは、2回接種によりほとんどの人に十分な免疫が形成されます。しかし、免疫抑制剤を服用している人や高齢者においては、免疫が不十分な場合もあります。また十分な免疫が形成された場合も、半年程度は維持されると考えられていますが、それ以上の長期に維持されるかどうかは現時点では不明です。
ファイザーとバイオンテック社は、3回目接種の臨床試験を行っていることを7月8日に公表しました。3回目を接種することにより、2回目接種後に比べて、中和抗体(ウイルスの感染を抑制する抗体)の値が5~10倍、増強したとしています。今後、速やかに論文として公表するとともに、各国の規制当局にデータを提出するとしています。またワクチン効果の経時的な減弱や、デルタ株のような変異ウイルスの影響から、2回目接種後の6から12カ月後に、3回目接種が必要となる可能性が高いとしています。また同社は、デルタ変異株に対するmRNAワクチンをすでに製造しており、今後、臨床試験を行うとしています。今後、客観的な検証が必要です。
一方、アメリカ疾病対策センター(CDC)と食品医薬局(FDA)は、7月8日の共同声明で、重症化して入院する人のほとんどはワクチン接種していない人であり、現状では、デルタ変異を含めて、新型コロナウイルスに対して3回目の接種を行う必要は無いとしています。

イギリス政府は、6月30日に、70歳以上の高齢者、免疫抑制剤を服用している人、医療従事者や高齢施設従事者などを対象に、9月から3回目の接種を開始する可能性を検討していることを発表しました。これらの対象者は、イギリスにおいて今年1月や2月に接種が始まったことから、すでに半年近くが経過しています。呼吸器感染症が増加する冬を前に、リスクの高い人に十分な免疫を再形成させることが狙いです。季節性インフルエンザのワクチン接種も行うとしています。
同国では、5月19日に、3回目接種の効果を調べる臨床試験を開始すると発表しています。約3000人が対象で、3回目に接種するワクチンとしては、Oxford/AstraZeneca, Pfizer/BioNTech, Moderna, Novavax, Valneva, Janssen, Curevacの7種類を比較するとしています。
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