山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

ワクチンの種類

ワクチンの種類

New York Time 2020年5月20日より
ワクチンには様々な種類がある。今、人間に用いられているワクチンで一番多いのは弱毒化ワクチンである。これは、ウイルスを鶏卵などで長期培養することにより遺伝子変異を起こし、感染性を維持したまま弱毒化したものである。生ワクチンとも呼ばれる。このタイプのワクチンを接種すると人間の細胞に感染し、増殖するため、抗体(液性免疫)に加えてキラーT細胞による細胞性免疫も誘導する。また1回の接種で済むことが多い。しかし感染性があるため、発熱などの副作用について慎重に評価する必要があるし、ウイルスを大量培養する必要があるため、十分量のワクチンを準備するのに時間がかかる。麻疹、風疹、おたふく風邪など多くのワクチンがこのタイプである。ウイルスを化学処理して不活化したワクチンも用いられ、発症の恐れはない。新型コロナウイルスに関してはValneva社が開発している。
新しい技術として、ウイルスの一部のタンパク質をコードするDNAやRNAを合成し、筋注する方法がある。大量合成が容易であるが、やはり細胞性免疫は誘導が難しい。また2回接種が必要なこともある。これらのDNAやRNAワクチンは、これまで人間で実用化された例はなかった。しかし、新型コロナウイルスに関してはファイザー社とモデルナ社がRNAワクチンの開発に成功し、多くの国で接種が始まっている。またCurevac社も開発している。
DNAやRNAワクチンに近いものとして、遺伝子治療に用いられるベクタ―(細胞に遺伝子を送り込むためのもので、風邪の原因であるアデノウイルス等の一部を利用)を用い、新型コロナウイルスの遺伝子の一部を体に送り込みワクチンとして用いることに、アストラゼネカ社やジャンセン社が成功している。
ウイルスの一部のタンパク質を合成してワクチンに用いることもある。子宮頸がんワクチンやB型肝炎ウイルスワクチンがこの種類のワクチンである。新型コロナウイルスに関しては、ノババックス社が開発に成功している。
図 ワクチンの種類(New York Time誌より)
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