山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

イスラエル

3回目接種進むも感染拡大するイスラエル(9月16日)

イスラエルは世界に先駆けてワクチン接種を開始し、これまでに国民の約70%が少なくとも1回の接種(主にファイザー社製mRNAワクチン)を終えています(図1)。それに伴い、5月から6月にかけては、感染者数(図2)や死者数(図3)がゼロに近づき、新型コロナウイルス感染症の終息に成功したかと期待されました。しかし、7月以降、デルタ変異株による感染の再拡大に見舞われ、9月15日現在、人口当たりの感染者数や死者数は日本を大きく上回っています。また同国は、ワクチン接種後の時間経過とともに感染予防効果が減弱するという国内のデータを公表し、7月末から、60歳以上を対象に3度目の接種を開始しました。その後、対象を拡大し、9月15日現在の公表データで、60歳以上では70%以上が、40歳以上でも50%前後が3回目接種を終えています(図4)。同国の研究者が9月15日にNew England Journal of Medicine誌に公表した論文では、3回目接種により、感染抑制効果が11倍、重症化抑制効果が19.5倍も増大したとしています。しかし、実際の感染者数(図2)や死者数(図3)は、減少傾向にありません。
3回目接種の効果については、慎重に見極める必要があります。いち早くワクチン接種を開始したイスラエルですが、接種率は国民の70%で頭打ちしています(図1)。日本は、間もなくイスラエルに追いつく可能性が高いと思われます。3回目接種の議論も大切ですが、まだ1回も接種していない国民にいかに接種を推奨するかも、重要な課題と考えられます。

図1 イスラエルと日本のワクチン接種状況
図2 イスラエルと日本の感染者数
図3 イスラエルと日本の死者数
図4 イスラエルにおける3回目接種状況
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