山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

後遺症

感染者を苦しめる後遺症とは

新型コロナウイルスに感染した後、後遺症が長期にわたって続くことがあることが報告されています。主な症状、発生頻度、無症候で感染した人でも起こるか?などについていくつかの論文(査読後)が報告されています。報告により発生頻度は大きく異なります。これが国や地域による違いなのかは不明です。また感染時に無症状の人にも後遺症が起こることがあるのかも不明です。更なる研究が必要です。

日本からの報告
Prolonged and Late-Onset Symptoms of Coronavirus Disease 2019 | Open Forum Infectious Diseases | Oxford Academic (oup.com)
では、63名の患者さんの追跡調査により、最初の発症から120日後においても、10%前後の患者さんにおいて、咳、倦怠感、味覚嗅覚異常などが続いていると報告されています。また発症当初は見られない脱毛が、20%くらいの患者さんにおいて発症後1~4か月後に報告されています。

アメリカからの報告
Sequelae in Adults at 6 Months After COVID-19 Infection | Infectious Diseases | JAMA Network Open | JAMA Network
によると、177名の感染者(11名:無症候、150名:軽症、16名:中等症または重症)の追跡調査で、発症から平均6か月後において、発症時の症状の重さに関わらず約30%の患者さんが倦怠感や味覚嗅覚異常などの何らかの後遺症を訴えています。一方、感染時に無症候であった11名については、6か月後において倦怠感や味覚嗅覚異常は認められていません。

一方、武漢の病院で昨年1月から5月までに新型コロナウイルス感染症で入院した患者さん1733名の退院後6ヶ月にわたる追跡調査
-month consequences of COVID-19 in patients discharged from hospital: a cohort study - The Lancet
では、入院時の症状の重さに関わらず、約80%の患者さんにおいて退院6か月後においても何らかの症状が存在しています。最も多いのは倦怠感や脱力であり、約2/3の患者さんで認められています。他には、睡眠障害や脱毛が20%強に、味覚異常、動悸、関節痛、食欲不振が10%前後に認められています。
この調査は、対象が壮年(47から65歳、平均57歳)であり、より若年の感染者や、無症状感染者に当てはめることはできません。今後、さらなる調査・研究が必要です。

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