山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

アメリカの状況

サンフランシスコでさらに強い社会経済制限(涙)-日本も心配

下記の記事で紹介しましたように、カリフォルニア州では7月13日より飲食店の屋内飲食、バー、映画館、美術館などが再び禁止されました。カリフォルニア州のモニタリング項目(図1)に従い、特に感染者の多いロサンゼルスなどの地域では、ジム、美容院、礼拝、そしてエッセンシャルワーク以外の業務も停止を命じられました。その後、私の第2の活動拠点であるサンフランシスコでも感染者がさらに増加したことから、ロサンゼルスなどと同様に厳しい制限が再び命じられました。私は過去13年間、毎月1回はサンフランシスコに行っていましたが、今年の2月を最後に、5カ月間、行くことが出来ていません。現地での研究活動が大きく影響を受けています。今回の措置により、サンフランシスコに戻ることが出来る日がさらに遠のいたのではと懸念しています。
4月2日に紹介しましたように
https://www.covid19-yamanaka.com/cont10/27.html
サンフランシスコは感染者が少ない段階から迅速に対策を取り、ニューヨークのような爆発的感染拡大を抑え込みました。図2のグーグルによる行動解析でわかるように、サンフランシスコの住民は、3月以降、日本よりもはるかに厳しい行動制限を長期間にわたって続けています。それにも関わらず、感染者の拡大が止まりません。新型コロナウイルスを過小評価していはいけないという警鐘です。
前回同様、あくまでも参考値として、東京都と大阪府の現状をカリフォルニア州のモニタリング項目に当てはめてみました(図1)。カリフォルニア州(そして世界の多くの国は)、十分な検査を行うことが対策の最重要課題と考えており、1日に人口10万人あたり150件の検査が最低ラインとしています。東京も大阪も、この数字にははるかに及んでいません。しかし、感染者数は危険ラインに近づいています。陽性率や入院患者数の増加率など一部の項目ではモニタリング基準を超えています。サンフランシスコの状況を見ていると、東京や大阪でも今すぐに実効性のある対策を取らないと、大変なことになるのではと危惧しています。
図1 カリフォルニア州のモニタリング項目
図2 グーグルによる行動解析

カリフォルニアで再び活動制限

https://covid19.ca.gov/roadmap-counties/
私の第2の活動拠点であるカリフォルニア州(サンフランシスコ)では、6月より徐々に経済活動を再開させていました。私の所属するグラッドストーン研究所も、Social Distanceとマスクを徹底させることにより研究活動を再開しています。しかし、感染者の再増加を受け、カリフォルニア州全域でレストランの屋内飲食、バー、映画館、美術館、動物園などの営業が713日より禁止されました。特に感染者の多いロサンゼルスやサンディエゴなどの郡では、ジムや美容室などの営業や礼拝などの活動も禁止されました。
カリフォルニア州は明確なモニタリング基準を決め(図1)、各郡の感染状況を判断し、その基準を超えた場合には、今回のように躊躇することなく経済活動の制限を行っています。サンフランシスコは他の郡よりは感染の拡大はましですが、それでも10万人あたり14日間の感染者数は100人前後で、高い数値となっています。
あくまでも参考値ですが、東京都と大阪府のデータをカリフォルニア州のモニタリング基準に当てはめてみました。感染者数や陽性率は基準に達していません。しかし、検査数が数十分の1以下であること、入院者数が増加傾向にあることから要注意です。

川崎病に似た全身性炎症疾患が小児に急増

ロンドンで新型コロナウイルス感染が関係していると思われる川崎病様の全身性炎症疾患が小児にみられるという論文があったが、同様のケースがニューヨーク州でも急増している。5月13名現在で110名の患者が確認されている。年齢は5歳から14歳が半分以上を占めるが、0歳から21歳まで幅広く確認されている。人種は白人25%、黒人23%、アジア3%、その他20%、不明31%である。60%はPCRでウイルスが陽性、40%は抗体検査で陽性、14%はPCR・抗体の両方が陽性であった。
https://coronavirus.health.ny.gov/childhood-inflammatory-disease-related-covid-19

アメリカFDAが緊急承認した抗体検査の13キットの性能

FDAの公開データ
抗体検査などの検査においては感度と特異度が重要である。感度は新型コロナウイルスに感染した人のうち、抗体陽性と判定される割合である。FDAが承認した13キットの感度は最低が85.4%、最高が100%である。一方、特異度は感染していない人のうち、抗体陰性と判定される割合で、最低は94.4%、最高は100%であった。これらは各企業が提出した比較的少ないデータに基づく値でであり、さらなる検証が必要である。感染が広がっていない地域においては、特異度が95%程度であっても、影響が大きい。例えば実際には100名中誰も感染していない場合、特異度95%の抗体検査を行うと、5名が陽性と判定されてしまう。

アメリカの死亡者数と医療体制の予想

Institute for Health Metrics and Evaluation(IHME)による予測
自宅待機、学校閉鎖、非必須経済活動停止、旅行の厳格制限

この4つの(もしくは3つ)の対策を4か月間続けたと仮定しての予測。
4月15日ごろがピークで一日に2千人以上、合計で8万人が亡くなると予測している。
予測の方法については”科学論文で学ぶ”に記載。
IHMEはビル&メリンダ・ゲイツ財団により創設された、公衆衛生上必要となる統計を解析する独立機関。


https://covid19.healthdata.org/projections
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