山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

各国の比較

日本の対コロナウイルス政策の世界での位置づけ(7月29日)

オックスフォード大学による各国政策の評価を、別の形で表示しました。
https://covidtracker.bsg.ox.ac.uk/stringency-scatter
横軸に各国の合計感染者数を、縦軸にオックスフォード大学による各国政策の厳格度(100が最も厳しい)をプロットしています。
7月25日現在(図1)でも、緊急事態宣言中の5月5日(図2)でも、日本の対コロナ政策が世界の中で緩かったことがわかります。
日本より感染者数が多い国で、日本より政策が緩い国はベラルーシだけです。同国のルカシェンコ大統領は、新型コロナウイルスはサウナやウオッカで退治できると主張しています。人口は950万人ですが、6万人以上の感染者が報告されています。
日本は、世界の中では緩い政策で第1波を克服しました。今後もファクターXが続き、感染者がこれ以上は増加しないことを切に願っています。しかし、より厳しい政策でも感染増大を抑えることのできていない他の多くの国の存在を忘れていはいけません。
オックスフォード大学による評価では、日本の国内移動に関する規制は、「移動しないことを推奨」になっています。実際にはGo to Travelにより国内旅行が推奨されていますので、実際のスコアはさらに低い可能性があります。
図1 7月25日現在の世界各国の対コロナ政策 縦軸はオックスフォード大学による政策の厳格度。横軸は7月25日現在の合計感染者数。大きい青丸が日本。
図2 5月5日のデータ

対コロナウイルス政策の経時変化(国際比較)(7月26日)

オックスフォード大学が各国の対コロナウイルス政策の厳格度を9つの観点(休校、休業、イベント中止、イベント人数制限、公共交通機関運休、自宅待機、啓蒙、国内移動制限、国外移動制限)から0から100100が最も厳格)に点数付けしています。
https://www.bsg.ox.ac.uk/research/research-projects/coronavirus-government-response-tracker

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月から7月までの日本の対コロナウイルス政策の経時変化を、感染者数の世界トップ3(アメリカ、ブラジル、インド)と比較すると、日本の政策の特色が見えてきます(図1)。
3か国よりも緩やかな政策で、第1波を抑えることができた。(逆に3か国は、厳しい政策を続けているのに、感染者数が制御できていない)
・政策の開始は、3か国よりも早かった(1月中旬からの感染者追跡、2月初旬からの中国等からの入国制限、政府や専門家からの積極的な啓蒙など)。
3月上旬には、政策の厳しさのピークに、ほぼ達していた(2月下旬からのイベント自粛要請、府県をまたぐ移動の自粛要請、在宅勤務の推奨など、31日からの全国一斉休校など)。
47日からの緊急事態宣言は、政策の厳格さという観点からは、影響が少なかった(罰則などの強制力がないことが要因)
・6月以降にイベント自粛要請、府県をまたぐ移動の自粛要請、全国一斉休校が解除されたことなどにより、日本は、世界の中で対コロナウイルス政策が最も緩い国の一つとなっている(図2)。

日本は何らかの要因(ファクターX)もあるのか、他の多くの国より緩やかな対コロナウイルス政策で第1波を抑えることが出来ました。しかし、ファクターXの本体は現時点では未解明ですし、今後も日本を守ってくれるかは不明です。7月に入ってからの、検査陽性者数、経路不明の陽性者数、検査陽性率、入院患者数、重症患者数など、どの指標を見ても、日本で感染が拡大していることは間違いありません。現時点の対コロナウイルス政策は感染拡大を減速させるには不十分であると考えられます。連休で人の移動がさらに増えました。医療や感染対策を支える現場の方々の努力も限界に達しつつあると思います。緊急事態宣言の再発令を防ぐためにも、何らかの明確な政策が実行されなければ、今後さらに感染者増大の速度が増すことが危惧されます。感染者数の増加傾向にブレーキをかけ、横ばい程度に抑え込むことが、社会経済の再生のためにも必須です。今なら、横ばい程度に抑え込む程度の対策で済むかもしれません。感染の拡大が続き医療がひっ迫すると、より強力な対策が必要になってしまいます。

図1 対コロナウイルス政策の経時変化 日本と、アメリカ・ブラジル・インドの比較
図2 対コロナウイルス政策の国際比較(7月21日)

オックスフォード大学による各国政策の比較(7月21日)

オックスフォード大学では、新型コロナウイルスに対する各国の政策を9項目で比較し、1から100の指標を付けている(1:最も緩和な対策―100:最も厳格な対策)。
https://www.bsg.ox.ac.uk/research/research-projects/coronavirus-government-response-tracker

9つの項目は以下の通り
休校、休業、イベント中止、イベント人数制限、公共交通機関運休、自宅待機、啓蒙、国内移動制限、海外旅行制限。
指標は各国の政策を比較することが目的であり、良し悪しの評価ではない。
7月19日現在の政策を見ると、日本は世界の中でも(図1)、アジアの中でも(図2)も最も緩和な政策をとる国の一つとなっている。

図1 世界の比較
図2 アジアの比較

他の国から学ぶ(ニュージーランドとオーストラリア)(7月17日)

日本では感染者が再増加し、第2波と呼ぶべき状況になりつつあります。
一方、他の国を見ると第2波の到来を抑え込んでいところもあります。日本との違いを検討することにより、今後の対策のヒントが得られるかもしれません。
まずは第1波を抑え込み、その後の社会経済の再開に成功しているニュージーランドを取り上げます。一方で、すぐ横のオーストラリアは最近になり第2波に襲われています(図1)
2つの国の大きな違いは、社会経済活動制限の程度です(図2)。ニュージーランドでは90%近い制限が2カ月近く継続され、その後、制限が一気に解除されました。一方、オーストラリアではピーク時でも50%弱の活動制限にとどまりました。
東京は緊急事態宣言中は60%程度の活動自粛でした。
もう一つの重要な対策は検査による感染者の同定と隔離です。図3を見ると、ニュージーランドとオーストラリアは、日本よりもかなり多い検査を行っていることがわかります。
図1 新規感染者の推移(New York Timesより)
図2 Googleによる行動解析
図3 人口1,000人あたりの検査数

新規感染者数の世界比較(New York Times誌のデータ)(5月7日)

世界では毎日、約90000人が感染している。1月から2月の中国での感染者は、もはや世界の中では僅かな割合となった。世界の感染者の1/3弱はアメリカ。しかし、ブラジルとロシアで急増しており、それぞれ1万人を超えている。南アメリカでは、ブラジル以外でペルー、メキシコ、チリでも急増しており、これから冬を迎えることを考えると今後が懸念される。またインドで急増しており、1日3000人を超える感染者が報告されている。
https://www.nytimes.com/interactive/2020/world/coronavirus-maps.html
感染者数の多い国における毎日の推移。濃い赤戦は7日間の平均。

Google行動解析から見た対策の効果:各国の比較(5月6日)

Google社が、スマートフォンの位置情報から人の流れを測定する技術を用いて、新型コロナウイルス対策として実施されている対策の効果を公開した。
https://www.google.com/covid19/mobility/

緊急事態宣言後、買物・リクリエーション、職場、公園の人出は徐々に減少しているが、厳しい外出制限を課している欧米よりは多い。東京は、3月下旬の時点で、買物・リクリエーションは減少しており、在宅勤務も広まっていたことがうかがえる。一方、大阪や京都では緊急事態宣言の後に在宅勤務が増加し、買物・リクリエーションが減少した。公園の人出は、3都市ともあまり減少していない。日本は欧米よりは緩やかな制限により、最初の危機を乗り越えようとしていることがわかる。さらに緩やかな制限で集団免疫の獲得を目指していると言われるスウェーデンの首都ストックホルムは人出は多く、特に公園は夏の到来でか急増している。一方、韓国や台湾は、欧米や日本よりも緩やかな制限で感染拡大の抑え込みに成功している。

リクリエーション・買い物の人出
職場の人出
公園の人出
自宅
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